FC2ブログ
猫とワタシ

おと と おと と

~ピアニスト朴令鈴*音音(おとね)工房~

この記事のみを表示する地震

未分類

みなさま、ご無事でお過ごしでしょうか。
うちではテレビや本棚が倒れましたが、怪我もなく家族も全員無事でした。
盛岡や仙台の知り合いもご無事でした。

ご報告まで。
スポンサーサイト



この記事のみを表示する不安定

リート:シューマン

Robert Schumann ロベルト・シューマン
In der Fremde (Liederkreis Op.39-8) 異郷にて 
Eichendorf アイヒェンドルフ

Ich hör' die Bächlein rauschen

小川の流れる音が聞こえる
Im Walde her und hin.
森のあちらこちらで
Im Walde, in dem Rauschen,
そのざわめく森の中で
Ich weiß nicht, wo ich bin.
ぼくは何処にいるのだろう

Die Nachtigallen schlagen
ナイチンゲールが啼いている
Hier in der Einsamkeit,
この孤独のなかで
Als wollten sie was sagen
過ぎ去った美しい時について
Von der alten, schönen Zeit.
語りたいかのようだ

Die Mondesschimmer fliegen,
ほのかな月の光が宙を舞う
Als säh ich unter mir
ぼくの足もとに
Das Schloß im Tale liegen,
谷で眠る城が見えるかのようだ
Und ist doch so weit von hier!
でも城はここからはるか先にある

Als müßte in dem Garten,
庭では白や赤の
Voll Rosen weiß und rot,
バラが咲き誇って
Meine Liebste auf mich warten,
恋人がぼくを待っているかのようだ
Und ist doch lange tot.
でも彼女はずっと前に死んでしまった

Schumann: In der Fremde Op.39-8 (4'40"から)

思考と現実との間に距離があって不安定な情緒を、シューマンは2種類の伴奏形の繰り返しだけで描き切っています。地味だけどなんかすごいな~

この記事のみを表示するいにしえの

リート:シューマン

Robert Schumann ロベルト・シューマン
Auf einer Burg (Liederkreis Op.39-7) ある城にて 
Eichendorf アイヒェンドルフ

Eingeschlafen auf der Lauer
 
待ちぼうけて眠ってしまった
Oben ist der alte Ritter;
年老いた騎士が山の上にひとり
Drüber gehen Regenschauer,
そのうちに雨となり
Und der Wald rauscht durch das Gitter.
格子の向こうで森がざわめいている

Eingewachsen Bart und Haare
髭も髪も根を張るように伸び
Und versteinert Brust und Krause,
胸も襟飾りも石と化した
Sitzt er viele hundert Jahre
彼は何百年と座っている
Oben in der stillen Klause.
山の上の静かな部屋で

Draußen ist es still' und friedlich,
城の外は静かで穏やかだ
Alle sind ins Tal gezogen,
みな谷へと移り住んだのだ
Waldesvögel einsam singen
森の小鳥が一羽、寂しく歌う
In den leeren Fensterbogen.
誰もいない窓のアーチで

Eine Hochzeit fährt da unten
結婚式の一団が、太陽に光り浴び
auf dem Rhein im Sonnenscheine,
下を流れるライン川をゆく
Musikanten spielen munter,
楽士たちは陽気に演奏し
Und die schöne Braut, die weinet.
美しい花嫁は、泣いている


Schumann: Auf einer Burg Op.39-7

時間が止まったような幻想的な雰囲気の曲です。


ところで、先日のN響アワーを観ていたら、最後のコーナーで「譜めくリスト」について西村朗さんがお話していました。忍者のように気配を消して、曲のテンポに合わせてめくる、「透明な共演者」。うまい事云いますね!
でも異議あり 曲が早くても遅くても、めくるのは素早くが絶対です。
めくるタイミングは それは奏者の様子を感じつつ、です。うなずく人にはうなずいたタイミングで、そうでない時は、最後の小節の和声の難易度かなと思うのですが、奏者がガン見してたらなるべくギリギリまで我慢してサッとめくる、そうでもなければ小節の半分くらいで、とか色々。
邪魔にならない方の手で、ジャラジャラしたものはつけない、楽譜や鍵盤に影を作らない、譜面をゆらさない、etc.
深いのです 言ってしまいましょう、譜めくりが下手な人は伴奏も下手です バタバタとユルユルとめくる人がいますが、自分がされて嫌な事は他人にもしてはいけません。
まこと「透明な共演者」 名言ですね。

この記事のみを表示するざわめき

リート:シューマン

Robert Schumann ロベルト・シューマン
Schöne Fremde (Liederkreis Op.39-6) 美しき異郷 
Eichendorf アイヒェンドルフ

Es rauschen die Wipfel und schauern,

梢がざわめき震えている
Als machten zu dieser Stund'
まるでこの時に
Um die halb versunkenen Mauern
半ば埋もれた城壁のまわりに
Die alten Götter die Rund'.
古代の神々が集ったかのようだ

Hier hinter den Myrtenbäumen
このミルテの木々の後ろで
In heimlich dämmernder Pracht,
ひそかに暮れゆくその煌めく光景の中、
Was sprichst du wirr, wie in Träumen,
まるで夢見るように、幻想的な夜よ
Zu mir, phantastische Nacht?
お前は何をとりとめなく私に話しかけるのか?

Es funkeln auf mich alle Sterne
私の頭上であらゆる星々がまたたいている
Mit glühendem Liebesblick,
燃える愛のまなざしで
Es redet trunken die Ferne
遠い未来が酔いしれて語る
Wie vom künftigem, großem Glück.
やがて訪れるであろう大きな幸せについて語るように

Schumann:Schöne Fremde

1曲目に続き2回目の「異郷」。1曲目では遠く稲妻の光る重たい雲の下で、孤独と死へ想いを寄せましたが、今回は星降る夜の美しい情景に、自らの心に芽生えた歓びを重ねているのでしょうか。

この記事のみを表示する誘惑

リート:シューマン

Robert Schumann ロベルト・シューマン
Waldesgepräch (Liederkreis Op.39-3) 森のかたらい 
Eichendorf アイヒェンドルフ

Es ist schon spät, es ist schon kalt,

すでに夜も更け、風も冷たい 
Was reit'st du einsam durch den Wald?
森の中であなたはひとり馬を走らせ何をしようというのだ
Der Wald ist lang, du bist allein,
森は深く、あなたはひとり
Du schöne Braut! Ich führ dich heim!
美しい花嫁よ!私はあなたを故郷へ連れてゆく!

"Groß ist der Männer Trug und List,
「男たちのうそと策略は底知れない
Vor Schmerz mein Herz gebrochen ist,
苦しみで私の心は張り裂けてしまう
Wohl irrt das Waldhorn her und hin,
あちこちで角笛がさまようのが聞こえるでしょう
O flieh! Du weißt nicht, wer ich bin."
さあ、お逃げ!あなたは知らないのです、私が誰かを」

So reich geschmückt ist Roß und Weib,
なんと豪華に飾られた馬と女性
So wunderschön der junge Leib,
なんと美しい若い肉体
Jetzt kenn ich dich - Gott steh mir bei!
いまわかったぞ、神よ守りたまえ!
Du bist die Hexe Lorelei. -
お前は魔女ローレライ!

"Du kennst mich wohl - von hohem Stein
「私の正体をすっかりわかったようだね、私の城は高い岩から
Schaut still mein Schloß tief in den Rhein.
静かにライン川を深く見つめているのだよ
Es ist schon spät, es ist schon kalt,
すでに夜は更け、風は冷たい
Kommst nimmermehr aus diesem Wald."
お前は二度とこの森から出ることはできない


Schumann:Waldesgespräch

ホメロスの「オデュッセイア」に登場する、船乗りたちを美しい歌声で水の中に引き込むという魔女です。不実な恋人に絶望しライン川に身を投げたローレライ、ライン川を見下ろす岩の上には、現在「ローレライセンター」が建っているそうな。