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猫とワタシ

おと と おと と

~ピアニスト朴令鈴*音音(おとね)工房~

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演奏会

最近運の良いことに素晴らしい演奏に触れる機会が多くあります。
今日はそんな中でも一生思い出に残りそうな演奏を聴いてきました。

古楽器のアンサンブルグループ「アントネッロ」が ”ザ・南蛮~大航海時代 海を渡る西洋音楽~”と題した年3回シリーズの1回目、”ラス・フォリアス!~17世紀スペインの音楽”
・・・イベリア半島起源の「ラス・フォリアス」とは「狂気」という意味。何度も繰り返されるフォリアスの上に即興的に旋律が展開されていく様は、聴く者を独特の情熱と愁いで酩酊状態に導き、イベリアの歴史を彷彿とさせます。その昔、南蛮人の踊る「フォリアス」を実際に見た16世紀の日本人が、「ぴょんぴょん跳ねるへんてこな踊りだ」と云ったという記録も残されています・・・(チラシより引用)

「ラス・フォリアス」=「ラ・フォリア」と聞けばコレッリの作曲したヴァイオリン曲、またその主題による変奏曲としてラフマニノフが書いたピアノ曲で、耳馴染みのある旋律です。
Sergei Rachmaninov : (Folia) Variations sur un thème de Corelli

美しい音でセンスの良い即興演奏、それを2拍子3拍子入り混じったノリノリのリズムで楽しそうに演奏されたら、涙がこみ上げてきちゃいました。歌われたカウンターテノールの彌勒忠史さんは前回のブログで紹介したマスタークラスの「ポッペーアの戴冠」を指導、指揮しに来て下さっています。彼が授業で一生懸命伝えている事が今日の演奏を聴いて体感できました。7月の試演会までにもっともっと多くの事を学びたいです!

余談ですが、彌勒さんはオペラの演出もなさっています。11月に横須賀芸術劇場で彼の演出するメノッティのオペラをピアノ伴奏する事になりました。今回は「電話」と「霊媒」です。詳しくはまた改めて。


今日の演奏会第2回は6/30(水)19:00~ 北とぴあ つつじホール 「エル・コンゴ~南米ペルーのバロック音楽」
第3回は9/2(木)19:00~ 北とぴあ つつじホール 「フランシスコ・ザビエルと大友宗麟」

アントネッロ公式ホームページ
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この記事のみを表示するちょっと息抜き

未分類

ブログ更新はずっと息抜き
最近新作オペラをさらっているせいか、指に違和感を感じてます。それでパソコンを遠ざけていたのですが、この二日間資料づくりで仕方なく長時間パソコンいじっていたら、やっぱり指が痛い
でも今週は時間があるのでいまのうちに更新せねば!

で、今日はメーリケではなく、My favorite songを紹介します。
モンテヴェルディ作曲の「ポッペアの戴冠」より終曲の "Pur ti miro"。
フェロモンぷんぷんのポッペアが、旦那も皇后も蹴散らして皇帝ネローネの妻の座にのし上がる、という内容のオペラで、この曲は最後の結婚式の場面。
ずっとあなたを見つめ、いとおしみ抱きしめ結びあう、私の命の宝よ
と歌います。

二期会研修所のマスタークラスでここ数年前期の課題になっている演目で、去年からはカーティス版という楽譜を使って演奏していますが、これがベースと数字+歌しか書いていない楽譜なんです。わかりやすく云えば、伴奏譜が一段だけで左手の単音とコードネームみたいな役割の数字が書いてあるだけで、あとは勝手に演奏してねっていう感じ。大学の授業でそういえば習ったけど、まさか仕事でこの譜面を使うとは・・・
でも慣れると意外に楽しい!言葉のニュアンスに合わせて音作りしたり、日によってメロディー変えたり。
歌い手との究極のアンサンブルです。

大好きなガーディナーの指揮で

Pur ti miro

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リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf ヴォルフ
Auf einer Wanderung 旅路で
Eduard Mörike メーリケ



In ein freundliches Städtchen tret' ich ein,
感じの良いある小さな町に、私は立ち寄った
in den Straßen liegt roter Abendschein.
通りは赤く夕陽に染まっている。
Aus einem offnen Fenster eben,
折しも開いた窓から
über den reichsten Blumenflor
咲き誇る花々を越えて
hinweg, hört man Goldglockentöne schweben,
黄金の鐘の響きが漂うのが聴こえる、
und eine Stimme scheint ein Nachtigallenchor,
その声はナイチンゲールの合唱のよう
daß die Blüten beben,
花々はおののき
daß die Lüfte leben,
そよ風は息づき
daß in höherem Rot die Rosen leuchten vor.
ひときわ赤くバラが輝きを増す。

Lang hielt ich staunend, lustbeklommen.
長いあいだ私は感動に囚われた、喜びにむせながら。
Wie ich hinaus vor's Tor gekommen,
どうやって市門の外に出たのだろうか、
ich weiß es wahrlich selber nicht.
私はまったく覚えていない。
Ach hier, wie liegt die Welt so licht!
ああここでは、なんて世界が明るいのだろう!
Der Himmel wogt in purpurnem Gewühle,
空は緋色に染まる雲の群れに波打ち
rückwärts die Stadt in goldnem Rauch:
背後では町が金色にけむっている。
wie rauscht der Erlenbach,
榛の木しげる小川のせせらぎよ、
wie rauscht im Grund die Mühle,
谷あいの水車のざわめきよ、
ich bin wie trunken, irrgeführt
私はまるで酔っぱらったかのよう、夢見心地だ
o Muse, du hast mein Herz berührt
ああミューズの神よ、あなたは愛の息吹のひと吹きで
mit einem Liebeshauch!
私の心の琴線を爪弾いたのだ!


auf einer Wanderung

メーリケ歌曲集の中でも私の好きな曲トップ3に入る曲です。色彩豊かで感動的!
訳している途中である曲を思い出し今日のタイトルにしました。
それがこちら↓
What a wonderful world


この記事のみを表示するゴールデンウィーク

リート:ヴォルフ

寒かった4月はどこへやら、晴天に恵まれたゴールデンウィークになりましたね。みなさま、如何お過ごしでしょうか。
私は半分仕事、半分宴会。楽しかったのはバーベキューしながらヨットに乗せていただいた事!浦賀の海で楽しい休日を過ごしました。
今日は稽古の後、おいしそうなワインバーで軽く食事をして(美味しかった)、酔わずに帰れたので久々にPC開けました。


Hugo Wolf ヴォルフ
Jägerlied 狩人の歌
Eduard Mörike メーリケ


Zierlich ist des Vogels Tritt im Schnee,
山の頂きを小鳥が歩くとき、
wenn er wandelt auf des Berges Höh':
雪に残るその足跡の愛らしいこと。
zierlicher schreibt Liebchens liebe Hand,
もっと愛らしいのは、恋人のかわいい手が書いたもの、
schreibt ein Brieflein mir in ferne Land'.
遠い国にいる私に手紙を書いてくれる。

In die Lüfte hoch ein Reiher steigt,
空高く青鷺が飛翔する、
dahin weder Pfeil noch Kugel fleugt:
そこには矢も弾丸も届かない、
Tausendmal so hoch und so geschwind
まことの愛の想いは
die Gedanken treuer Liebe sind.
はるかに高くはるかに速く翔んでゆく。


Jägerlied (3'25"から)