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猫とワタシ

おと と おと と

~ピアニスト朴令鈴*音音(おとね)工房~

この記事のみを表示するみどりごのゆめ

リート:ヴォルフ(メーリケ)

ヴォルフのメーリケ歌曲集は全部で53曲あります。頑張って更新しているつもりですがまだ半分も訳せていない!
弾いたことのある曲から取りかかってしまったので、残ったものは馴染みが薄い・・・
なんとか最後まで到達できますように!
今日はあまり知らない曲を選びました。訳すのもかなり難しくてちょっと自信ありませんが、色々参考にさせてもらいながら訳してみました。



Hugo Wolf ヴォルフ
Schlafendes Jesuskind 眠れる幼子イエス
Eduard Mörike メーリケ

Gemalt von Franc.Albani フランチェスコ・アルバーニの絵による(注1)

Sohn der Jungfrau, Himmelskind! am Boden,
聖母マリアの子、天の御子よ!地に置かれた
Auf dem Holz der Schmerzen eingeschlafen,
苦悩の木の上に眠っている、
Das der fromme Meister, sinnvoll spielend,
敬虔なる名匠が意味深くも
Deinen leichten Träumen unterlegte;
あなたの軽やかな夢の下に描いた木の上で。
Blume du, noch in der Knospe dämmernd
花の御身はまだ蕾のうちにまどろんでいる
Eingehüllt die Herrlichkeit des Vaters!
父なる神の栄光に包まれて。

O wer sehen könnte, welche Bilder
おお、誰が知ろう、どのような光景なのか
Hinter dieser Stirne, diesen schwarzen
その額、その黒いまつげの奥に映る
Wimpern sich in sanftem Wechsel malen!
ゆるやかに変わりゆく光景を!


(注1)アルバーニ (1578-1660、ボローニャの画家)

すっかり夜更かししてしまいました。早く寝なきゃ。今日はどんな夢を見るでしょう・・・

オーケストラ版
プライ
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この記事のみを表示する新年度

リート:ヴォルフ(メーリケ)

今春は三寒四温とでもいうか、寒暖の差が大きいですね。
さすがにコートはしまいましたが、セーターはまだ残しています。
週末にかけてまた寒いみたい ご自愛ください。

大学の授業数が増えて今月2週目からさっそく授業が始まっています。
若い学生さんたちと一緒にいるととても楽しいですが・・・
新入生は今年も18歳、来年も18歳、10年後も18歳。
私は今年は24歳、来年は25歳、10年後は34歳。だったらいいな。
ま、それはともかく楽しいだけで終わらないようにしなきゃね、と思うのであります。

ソプラノがよく歌うかわいい歌を取り上げました。
気に入ったら歌ってみてね、生徒諸君!


Hugo Wolf ヴォルフ
Der Knabe und das Immlein 少年と蜜蜂
Eduard Mörike メーリケ
 

Im Weinberg auf der Höhe
ブドウ畑の丘の上
ein Häuslein steht so winde bang;
おうちが一軒、風にあおられている。
hat weder Tür noch Fenster,
ドアも窓も閉め切って、
die Weile wird ihm lang.
一日千秋の思い。

Und ist der Tag so schwüle,
その日はとても蒸し暑くて
sind all' verstummt die Vögelein,
小鳥たちもみんな黙っている
summt an der Sonnenblume
ミツバチがった一匹
ein Immlein ganz allein.
ひまわりの側でブーンと音を立てている。

Lieb hat einen Garten,
かわいいあの子のおうちの庭
da steht ein hübsches Immenhaus:
そこにはかわいいミツバチの巣がある。
kommst du daher geflogen?
君はそこから飛んできたの?
schickt sie dich nach mir aus?
彼女が僕のところによこしたの?

O nein, du feiner Knabe,
いいえ違うわ、かわいい坊や、
es hieß mich Niemand Boten gehn;
誰の使いでもないのですよ。
dieses Kind weiß nichts von Lieben,
あの子は愛なんて何もわからないし
hat dich noch kaum gesehn.
あなたの事も気づいてないかも。

Was wüßten auch die Mädchen,
まだ学校も出ていない女の子に
wenn sie kaum aus der Schule sind!
何がわかるでしょう!
Dein herzallerliebstes Schätzchen
あなたの大好きなあの子は
ist noch ein Mutterkind.
まだまだお母さん子なの。

Ich bring' ihm Wachs und Honig; ade!
彼女にハチミツを持って帰るわ、さようなら!
ich hab' ein ganzes Pfund;
たっぷり1ポンドも貯まった
wie wird das Schätzchen lachen,
彼女はどんなに喜ぶことでしょう
ihm wässert schon der Mund -
口元にはもうつばきをためているでしょう。

Ach, wolltest du ihr sagen,
ああ、彼女に云っておくれ
ich wüßte, was viel süßer ist:
僕はもっと甘いものを知っていると。
nichts Lieblichers auf Erden
抱き合って口づけを交わす時ほど
als wenn man herzt und küßt!
素敵なことはこの世にないんだよと。


Der Knabe und Das Immlein