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猫とワタシ

おと と おと と

~ピアニスト朴令鈴*音音(おとね)工房~

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リート:ヴォルフ(メーリケ)

昨日ある演奏会で中田喜直「魚とオレンジ」を全曲聴きました。その第6曲が「ケッコン」。

きんらんどんす
およめさんです
重たいかつら
ぬりこめられて
誰かさんがいま
ごケッコンです
なかみのわたしは窓の外
雲の羊を見ています

といった内容。

それでこの曲を思い出しました。


Hugo Wolf ヴォルフ
Bei einer Trauung ある結婚式にて
Mörike メーリケ


Vor lauter hochadligen Zeugen
まことに高貴な証人たちを前に
copuliert man ihrer Zwei;
人は彼ら二人を結びつける。
die Orgel hängt voll Geigen,
オルガンは重厚に鳴り響くが
der Himmel nicht, mein' Treu!
天上の響きじゃないのさ、誓ってね!

Seht doch, sie weint ja greulich,
みてごらんよ、女はそりゃひどく泣いていて
er macht ein Gesicht abscheulich!
男は嫌悪の表情を浮かべている!
Denn leider freilich, freilich
これは残念ながら云うまでもなく…
keine Lieb' ist nicht dabei.
そこには愛がないのさ。


wolf: Bei einer Trauung
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この記事のみを表示する寒い~!

リート:ヴォルフ(メーリケ)

今冬は寒暖の差が激しいですね。
桜が咲き始めた方と思いきや、この寒さ。緩んではは引き締め、緩んでは引き締め・・・まるで最近試し始めた「巻くだけダイエット」みたい!?でも桜が長持ちしてくれそうですね。

前置きとはなんの関連もなく今日は長い詩にチャレンジ!


Hugo Wolf ヴォルフ
Strochenbotschaft こうのとりの使い
Eduard Mörike メーリケ



Des Schäfers sein Haus und das steht auf zwei Rad,
羊飼いの住むおうちは二つの車輪の上で、
steht hoch auf der Heiden, so frühe, wie spat;
朝も晩も、野原に高くそびえ建つ
und wenn nur ein Mancher so'n Nachtquartier hätt'!
みんな思うだろう、そんなねぐらがあったらなあ、と
Ein Schäfer tauscht nicht mit dem König sein Bett.
羊飼いは王様とでさえその寝床を交換しはしない。

Und käm' ihm zur Nacht auch was Seltsames vor,
だから夜中に彼に何か不思議な事が起ころうと
er betet sein Sprüchel und legt sich auf's Ohr;
彼はお決まりのお祈りをして横になってしまう
ein Geistlein, ein Hexlein, so luftige Wicht',
幽霊だろうと魔女だろうと、風の精であろうと
sie klopfen ihm wohl, doch er antwortet nicht.
いくら戸を叩いても、彼はちっとも答えない。

Einmal doch, da ward es ihm wirklich zu bunt:

ところが一度、本当に我慢できないほど
es knopert am Laden, es winselt der Hund;
雨戸はバタバタ、犬はワンワン
nun ziehet mein Schäfer den Riegel - ei schau!
そこで羊飼いが閂をはずすと、おや、まあ!
da stehen zwei Störche, der Mann und die Frau.
そこには2羽のコウノトリ、雄と雌がつがいで立っていた。

Das Pärchen, es machet ein schön Kompliment,
そのカップルは丁寧にお辞儀をし、
es möchte gern reden, ach, wenn es nur könnt'!
何か喋りたそう、ああ、それさえ出来たら!
Was will mir das Ziefer? ist so was erhört?
君は僕にどうして欲しいの?何を聞いて欲しいの?
Doch ist mir wohl fröhliche Botschaft beschert.
いやいやどうやら、僕にとてもいい知らせを運んできてくれたようだ。

Ihr seid wohl dahinten zu Hause am Rhein?
君たちは、ライン沿いの僕の家の向こうから来たんだね?
Ihr habt wohl mein Mädel gebissen in's Bein? *1
君たちは僕の奥さんの脚に噛みついたんだね?
nun weinet das Kind und die Mutter noch mehr,
その赤ん坊が泣いていて、母親はもっと泣いてて
sie wünschet den Herzallerliebsten sich her.
いとしい人に帰ってきて欲しいと願ってるんだね。

Und wünsche daneben die Taufe bestellt:
それで洗礼の準備をして欲しいというんだね、
ein Lämmlein, ein Würstlein, ein Beutelein Geld?
羊と腸詰、それにまとまったお金も。
so sagt nur, ich käm' in zwei Tag oder drei,
それじゃ伝えておくれ、僕は2,3日のうちに帰るから、
und grüßt mir mein Bübel und rührt ihm den Brei!
そしたら坊やにご対面して、お粥を食べさせてあげるから!

Doch halt! warum stellt ihr zu Zweien euch ein?
ちょっと待った!なんで君たちは2羽で現れたの?
es werden doch, hoff' ich, nicht Zwillinge sein?
もしかして、双子だっていうんじゃないだろうね?
Da klappern die Störche im lustigsten Ton,
するとコウノトリたちはカタカタと嬉しそうにくちばしを鳴らし
sie nicken und knixen und fliegen davon.
うなずいてお辞儀をして、飛び去って行った。

(*1) 妊娠することを「コウノトリに足を噛まれる」というそうです。

Wolf: Strochenbotschaft (4'30”から)

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リート:ヴォルフ(メーリケ)

しばらくバタバタしていてブログの方、すっかり手つかずになってしまいました。
また再開しますので、どうぞ宜しく~

Hugo Wolf ヴォルフ
Verborgenheit 隠遁
Eduard Mörike メーリケ


Laß, o Welt, o laß mich sein!
放っておいてくれ、世間よ、ああ、私にかまわないでくれ!
Locket nicht mit Liebesgaben,
施しで気を引こうとしないでくれ
Laßt dies Herz alleine haben
この心を独りにさせてくれ
Seine Wonne, seine Pein!
その歓びも、その苦しみも!

Was ich traure, weiß ich nicht,
何を私は悲しむのか、私にはわからない
Es ist unbekanntes Wehe;
それは故知れぬ心痛なのだ
Immerdar durch Tränen sehe
いつだって私は涙を通して
Ich der Sonne liebes Licht.
やさしい太陽の光を仰ぐのだ。

Oft bin ich mir kaum bewußt,
時には自分でもわからないうちに
Und die helle Freude zücket
明るいよろこびが瞬く事がある
Durch die Schwere, so mich drücket,
私を押しつぶすこの重苦しさを突き抜け
Wonniglich in meiner Brust.
私の胸に幸せを満たす。

Laß, o Welt, o laß mich sein!
放っておいてくれ、世間よ、ああ、私にかまわないでおくれ!
Locket nicht mit Liebesgaben,
施しで気を引こうとしないでくれ
Laßt dies Herz alleine haben
この心を独りにさせてくれ
Seine Wonne, seine Pein!
その歓びも、その苦しみも!


初めて弾いたヴォルフがこの曲だったような。大学生の頃は詩の内容なんてこれっぽっちも考えずに弾いてて、それでよく弾けたもんだなと今では思います。あるソプラノの先生にめっちゃくちゃ怒られた事があって、当時はキョトンとしてしまいましたが思い返すと赤面のいたり。その先生は癌で早くに亡くなってしまいました。こうやって訳詞を書いてるのを見てくれたら、少しは見直してもらえるかな・・・

verborgenheit