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猫とワタシ

おと と おと と

~ピアニスト朴令鈴*音音(おとね)工房~

この記事のみを表示する遺言

リート:ヴォルフ(メーリケ)

昨日なんとなく観ていたテレビ番組、日本橋「たいめいけん」3代目の取材番組。
3代目のプレッシャーでグレちゃった孫に、一代目からの遺言、
「勉強もいいけど、男の児になりなさい」
これで意を決してお店に入ったそうな。

このフレーズに私とても感心してしまいました。こんな事言える大人になりたいな~
心の中で何度も繰り返してるうちに、自分にも言ってみました。
「勉強もいいけど、女の児になりなさい」

最近、真面目に詩ばっかり書いてたら、アクセス数激減・・・
「そりゃ、あれ見る人いないでしょ、あ、でも僕は見てますよ」
先日会った友人にも云われる始末。

それで今日は詩ではなく始めてみましたが、やっぱり紹介しちゃいます。
今日のお題にピッタリ!


Hugo Wolf ヴォルフ
Rat einer Alten 年寄りの忠告
Eduard Mörike メーリケ


Bin jung gewesen, kann auch mitreden,
若い頃もあったから、話はよくわかる、
und alt geworden, drum gilt mein Wort.
歳とっただけに、云う事はよく当たる。

Schön reife Beeren am Bäumchen hangen:
かわいい熟した苺が木になってるね、
Nachbar, da hilft kein Zaun um den Garten;
お隣さん、庭に柵をしたって無駄だよ、
lustige Vögel wissen den Weg.
元気な鳥たちは抜け道を知ってるのさ。

Aber, mein Dirnchen, du laß dir raten:
だけど、娘さん、よくお聞き、
halte dein Schätzchen wohl in der Liebe,
あんたのいい人をよく愛して
wohl in Respekt!
よく敬いなさい!
Mit den zwei Fädlein in Eins gedrehet,
2本の糸を一つに撚って、
ziehst du am Kleinen Finger ihn nach.
しっかりと小指に結んでおくんだよ。

Aufrichtig Herze, doch schweigen können,
心は素直で、口は堅く、
früh mit der Sonne, mutig zur Arbeit,
朝早起きで、働き者、
gesunde Glieder, saubere Linnen,
元気な体に、きれいな肌着、
das machet Mädchen und Weibchen wert.
それが娘や妻の価値を作るのさ。

Bin jung gewesen, kann auch mit reden,
若い頃もあったから、話はよくわかる、
und alt geworden, drum gilt mein Wort.
歳とっただけに、云う事はよく当たる。


勉強もして女の児にもなりましょう!

Georges de La Tour
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この記事のみを表示する2つの名曲

リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf ヴォルフ
An eine Äolsharfe アイオロスの竪琴に寄す
Eduard Mörike メーリケ


 Tu semper urges flebilibus modis   
嘆きの調べにのせて歌うは
 Mysten ademptum: nec tibi Vespero
失いしミュステスのことのみ
 Surgente decedunt amores,      
宵の明星現れし折も、昇る太陽に追われて星の消ゆる時も
 Nec rapidum fugiente Solem.     
汝が心に思いの果てることなし
               Horaz ホラチウス


Angelehnt an die Efeuwand
この古びたテラスの
Dieser alten Terrasse,
蔦這う壁に寄りかかり、
Du, einer luftgebor'nen Muse
汝、そよ風が生んだミューズよ、
Geheimnisvolles Saitenspiel,
神秘的な弦の音よ、
Fang' an,
奏でておくれ、
Fange wieder an
再び奏でておくれ、
Deine melodische Klage!
汝が美しき嘆きの調べを!

Ihr kommet, Winde, fern herüber,
遠くから吹き寄せる風、
Ach! von des Knaben,
ああ、私がこよなく愛した
Der mir so lieb war,
あの少年の眠る
Frischgrünendem Hügel.
新緑萌える丘から風が吹く。
Und Frühlingsblüten unterwegs streifend,
道すがら春の花々に触れ、
Übersättigt mit Wohlgerüchen,
芳香に満ち溢れ、
Wie süß, wie süß bedrängt ihr dies Herz!
なんと甘く、なんと甘くこの胸を悩ますのか!
Und säuselt her in die Saiten,
そして竪琴にそよぎ入る、
Angezogen von wohllautender Wehmut,
美しい憂いの響きに魅せられ、
Wachsend im Zug meiner Sehnsucht,
私の憧れは一気に高まり
Und hinsterbend wieder.
また消えてゆく。

Aber auf einmal,
しかし突然、
Wieder Wind heftiger herstößt,
再び風がひと際強く吹き、
Ein holder Schrei der Harfe
竪琴の柔らかな悲鳴は
Wiederholt mir zu süßem Erschrecken
私に甘美な驚愕を呼び戻し
Meiner Seele plötzliche Regung,
私の魂を不意に揺さぶる
Und hier, die volle Rose streut geschüttelt
そして満開のバラが揺すられ
All' ihre Blätter vor meine Füße!
花びらは残らずこの私の足元に撒き散らされる。


前回「ヴァイラの歌」がハープを模した伴奏だったので、ハープつながりで曲を選びました。
「アイオロス」はギリシャ神話の風の神様。「アイオロスの竪琴」とはエオリアンハープの事で、風に触れてひとりでに鳴るハープです。
詩の冒頭に掲載されているのは、メーリケの好きだったローマの詩人。アイオロスが失った恋人ミュステスを嘆いているうた。
第2節に登場する「あの少年」はメーリケの弟だそうです。

ヴォルフの曲はとても幻想的で特に、第3節は突然の強風にハープがかき鳴らされて昂る気持が素晴らしく描かれています。同じ詩にブラームスも曲をつけていてとても素敵な作品ですが、ヴォルフに比べると踏み込みが足りないですね。


Wolf
Brahms

この記事のみを表示する神様はハープがお好き

リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf ヴォルフ
Gesang Weylas ヴァイラの歌
Eduard Mörike メーリケ


Du bist Orplid, mein Land!
オルプリート、私の島よ!
Das ferne leuchtet;
おまえは遠く輝いている。
Vom Meere dampfet dein besonnter Strand
陽の当たる岸辺は、海から霧を立ち昇らせ、
Den Nebel, so der Götter Wange feuchtet.
それは神々の頬を濡らす。

Uralte Wasser steigen
わが子よ!太古からの水が
Verjüngt um deine Hüften, Kind!
おまえの腰まで打ち寄せ若返らせる。
Vor deiner Gottheit beugen
おまえの神性を前に
Sich Könige, die deine Wärter sind.
臣下の王たちはひざまずく。


小説「画家ノルテン」に登場する理想郷「オルプリート」、「ヴァイラ」はその島を統べる女神です。

Lotte Lehmann
画像付き

この記事のみを表示する火の用心

リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf ヴォルフ
Der Feuerreiter 炎の騎士
Eduard Mörike メーリケ


Sehet ihr am Fensterlein
小窓からまた
Dort die rote Mütze wieder?
あそこに赤い帽子が見えるって?
Nicht geheuer muß es sein,
何か恐ろしい事が起るに違いない、
Denn er geht schon auf und nieder.
だって彼がもう動きまわっている。
Und auf einmal welch Gewühle
するとたちまちなんたる騒ぎ
Bei der Brücke nach dem Feld!
橋の辺りから野原に向かって!
Horch! das Feuerglöcklein gellt:
ほら!半鐘がカンカン鳴っている、
Hinterm Berg,
山の向こうで
Hinterm Berg
山の向こうで
Brennt es in der Mühle!
水車小屋が燃えている!

Schaut, da sprengt er wütend schier
見て、彼が猛り狂って駆けて来る、
Durch das Tor, der Feuerreiter,
炎の騎士は門をくぐり、
Auf dem rippendürren Tier,
まるで火事場の梯子のように
Als auf einer Feuerleiter!
あばらの浮き出た馬に乗り
Querfeldein, durch Qualm und Schwüle,
野原を横切って、煙と熱をかいくぐり
Rennt er schon und ist am Ort!
彼は駆けつけもう火事場にいる!
Drüben schallt es fort und fort:
むこうで鐘が絶えず鳴り響く、
Hinterm Berg,
山の向こうで
Hinterm Berg,
山の向こうで
Brennt es in der Mühle!
水車小屋が燃えている!

Der so oft den roten Hahn
彼はもう何度も赤い雄鶏を
Meilenweit von fern gerochen,
はるか遠くから嗅ぎつけた、
Mit des heil'gen Kreuzes Span
聖なる十字架のかけらを持って
Freventlich die Glut besprochen -
神をも恐れず炎を折伏してきたが、
Weh! dir grinst vom Dachgestühle
ああ、地獄の業火の中から
Dort der Feind im Höllenschein.
悪魔がほくそ笑んでいる、
Gnade Gott der Seele dein!
神のご加護を!
Hinterm Berg,
山の向こうで
Hinterm Berg,
山の向こうで
Rast er in der Mühle!
水車小屋が燃えている!

Keine Stunde hielt es an,
ひと時も持ちこたえず、
Bis die Mühle borst in Trümmer;
水車小屋は瓦礫と化した。
Doch den kecken Reitersmann
そしてそれ以来その勇敢な騎士を
Sah man von der Stunde nimmer.
見た者はいない。
Volk und Wagen im Gewühle
やじうまの人々や馬車は
Kehren heim von all dem Graus;
恐怖を後に、我が家へと向かう、
Auch das Glöcklein klinget aus:
そして鐘も鳴り止んだ、
Hinterm Berg,
山の向こうで
Hinterm Berg,
山の向こうで
Brennt's! -
燃えている!

Nach der Zeit ein Müller fand
のちに水車小屋の主人が見つけた、
Ein Gerippe samt der Mützen
帽子をかぶった骸骨が
Aufrecht an der Kellerwand
痩せ馬の骨に跨り
Auf der beinern Mähre sitzen:
地下の壁に真っ直ぐにもたれているのを。
Feuerreiter, wie so kühle
炎の騎士よ、なんと冷たい姿で
Reitest du in deinem Grab!
自らの墓穴で馬を駆るのか!
Husch! da fällt's in Asche ab.
途端に骨は崩れ落ち灰となった。
Ruhe wohl,
安らかに眠れ
Ruhe wohl
安らかに眠りたまえ
Drunten in der Mühle!
水車小屋の下で!


初バラード、長くて訳すのも大変でした!
火事場の情景が眼前に展開するような、歌、ピアノともに迫力ある作品です。
この曲を含む5曲(だったかな?)のヴォルフを毎コンの本選で伴奏して共演賞を頂きました。思い出深い曲です。
しばらく弾いてない・・・誰か歌ってくれませんか!

Dieskau&Höll
お宝映像

この記事のみを表示する庭師 その2

リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf ヴォルフ
Der Gärtner 庭師
Eduard Mörike メーリケ


Auf ihrem Leibrößlein
雪のように真っ白な
So weiß wie der Schnee,
愛馬にまたがり
Die schönste Prinzessin
その美しき姫君は
Reit't durch die Allee.
並木道を通って行く

Der Weg, den das Rößlein
お馬が可愛く
Hintanzet so hold,
跳ね行くその道、
Der Sand, den ich streute,
僕が撒いた砂が
Er blinket wie Gold!
金色にキラキラ輝いている!

Du rosenfarb's Hütlein
上に下に揺れ動く
Wohl auf und wohl ab,
バラ色のかわいらしい帽子よ、
O wirf eine Feder,
ああ、羽飾りをひとつ
Verstohlen herab!
こっそり落としておくれ!

Und willst du dagegen
そのお返しに僕の(育てた)花を
Eine Blüte von mir,
あなたがお望みならば、
Nimm tausend für eine,
代わりに千本の花をお取り下さい、
Nimm alle dafür!
ここにある全部をお取り下さい!

Werner Güra/Jan Schultsz