Hugo Wolf フーゴ・ヴォルフ
Efenlied 妖精の歌
Mörike メーリケBei Nacht im Dorf der Wächter rief: Elfe!夜も更けて村で夜回りが大きな声で言いました:11時(Elfe)だぞ~!
Ein ganz kleines Elfchen im Walde schlief森の中でとっても小さな妖精(Elfe)がぐっすりと眠っていました、
wohl um die Elfe!その11時に!
Und meint, es rief ihm aus dem Tal そして思いました、ナイチンゲールが谷で
bei seinem Namen die Nachtigall,僕の名前を呼んだのかな?
oder Silpelit hätt' ihm gerufen.あるいはジルペリットが僕を呼んだのかしら?
Reibt sich der Elf' die Augen aus,両目をごしごし
begibt sich vor sein Schneckenhausカタツムリの殻から出てきたけど
und ist als wie ein trunken Mann,まるで酔っ払いのよう、
sein Schläflein war nicht voll getan,充分に睡眠がとれなかったから、
und humpelt also tippe tappそして足をひきずりながらトコトコと
durch's Haselholz in's Tal hinab,ハシバミの森を通り抜け谷へと降りて行きました、
schlupft an der Mauer hin so dicht,岩壁にぴったり沿って通り抜けると
da sitzt der Glühwurm Licht an Licht.そこでは蛍がピカピカと光を灯していました。
"Was sind das helle Fensterlein?「あの明るい小さな窓は何だろう?
Da drin wird eine Hochzeit sein:あの中で結婚式があるのかな、
die Kleinen sitzen bei'm Mahle,小人たちが食卓に座って
und treiben's in dem Saale.広間でにぎやかにやってるのかな?
Da guck' ich wohl ein wenig 'nein!"よし、ちょっとだけ中を覗いてみよう!」
Pfui, stößt den Kopf an harten Stein!イテッ、頭を硬い石にぶつけちゃった!
Elfe, gelt, du hast genug?ねえ妖精くん、(目覚めるのに)充分だったかな?
Gukuk!
グック、グック
妖精もElfe、数字の11もElfe。(正確にはElfですが、話語でeがついてるものと思われます)
"Elfe!"という声を聞いて自分の事だと勘違いした妖精がふらふらと歩き回り、岩に止まって光っている蛍を窓と勘違いして、中を覗こうとしたら頭をぶつけちゃった、というかわいい歌です。
かわいい歌なのに訳すのは難しかったデス。間違いがあったら指摘していただけるとありがたいです。
この曲はメーリケの小説「画家ノルテン」の劇中劇で歌われます。ジルペリットは妖精と人間の間に生まれた少女の名前だそうです(小説を読んでないので他からの引用です)。
またまたシュヴァルツコプフですが、ピアノはあの大指揮者フルトヴェングラーです(でも・・・チョン・ミュンフンやサヴァリッシュのようにはいきませんが・・・)
Elfenliedところで妖精はどう数えるのでしょう?「人」「羽」「匹」???