FC2ブログ
猫とワタシ

おと と おと と

~ピアニスト朴令鈴*音音(おとね)工房~

この記事のみを表示する酔っ払い

リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf フーゴ・ヴォルフ
Zur Warnung 戒め
Mörike メーリケ

Einmal nach einer lustigen Nacht
愉快な夜を過ごしたある翌朝
war ich am Morgen seltsam auf gewacht:
私は奇妙な気分で起きた。
Durst, Wasserscheu, ungleich Geblüt;
喉が渇くが水を受け付けず激しく脈打ち、
dabei gerührt und weichlich im Gemüt,
そのうえ気が昂ったり萎えたり、
beinah poetisch, ja, ich bat die Muse um ein Lied.
すっかり詩人気分で、そう、私はミューズに一つリートを所望した。
Sie, mit verstelltem Pathos, spottet' mein,
彼女はうわべだけの霊感で私をからかい、
gab mir den schnöden Bafel ein:
愚にもつかない代物を私に与えた。
"Es schlägt eine Nachtigall
「ナイチンゲールが鳴いている
am Wasserfall;
滝のそばで。
und ein Vogel ebenfalls,
もう一羽の鳥が鳴いている、
der schreibt sich Wendehals,
アリスイと呼ばれる鳥が、
Johann Jakob Wendehals;
ヨハン・ヤーコプ日和見主義者。
der tut tanzen
彼は踊る
bei den Pflanzen
草木の中で
ob bemeldten Wasserfalls."
はたまた前述の滝の上で」
so ging es fort;
などなどと続く。
mir wurde immer bänger.
私はだんだん不安になってきた。
Jetzt sprang ich auf: zum Wein!
その時私は閃いた、「そうだ、ワインだ!」
Der war denn auch mein Retter.
それはまことに私の救世主となった。
Merkt's euch, ihr tränenreichen Sänger,
おわかりだろうか、感性豊かな詩人諸君、
im Katzenjammer ruft man keine Götter!
二日酔いで霊感を呼び覚ますことなかれ!


二日酔いで詩を書こうと思い立ったけど、支離滅裂な詩に気分が悪くなって、迎え酒で気を晴らす、というしょーもなーい男!?の歌です。
"Wendehals"は日本語でアリスイというキツツキ科の鳥ですが、長い舌で蟻を捉えて食べるので「蟻吸い(アリスイ)」という名が付けられています。また体を動かさず首だけグルグル回すことが出来るそうです。"wenden"=向きを変える+"hals"=首すじ で"Wendehals"なんですね!転じて「日和見主義者」という意味もあります。ただ、"Johann Jakob"が誰のことなのか判らなかったので、もう少し調べてみたいと思います。
最後の一行は、「二日酔いにはお祈りよりも迎え酒が一番ということを!」という訳もあり、「戒め」という題の割にはちっとも飲みすぎを反省していないところが、メーリケらしいかなと思います。
年末年始、自戒も含めて飲みすぎにはご用心!

Dieskau
(2分43秒から始まり5分40秒まで。歌い出しは「くぐもったしわがれ声で」の指定があります)
スポンサーサイト



この記事のみを表示するMerry X'mas

リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf フーゴ・ヴォルフ
Gebet 祈り
Mörike メーリケ


Herr, schicke was du willt,
主よ、御心のままにお与えください、
Ein Liebes oder Leides;
喜ばしいこと、辛いこと。
Ich bin vergnügt, daß beides
私はどちらであっても喜んで受けます、
Aus Deinen Händen quillt.
御身の手から湧き出たものならば。

Wollest mit Freuden
しかし喜びにしろ
Und wollest mit Leiden
苦しみにしろ
Mich nicht überschütten!
溢れるほどには注がないで下さい!
Doch in der Mitten,
ほどほどのところに
Liegt holdes Bescheiden.
佳き慎みがあるのですから。

オーケストラ版

この記事のみを表示する考えるのは頭、想うのは心

リート:ヴォルフ

Hugo Wolf フーゴ・ヴォルフ
Verschwiegene Liebe 語らぬ愛
Eichendorff アイヒェンドルフ

Über Wipfel und Saaten
梢をこえ、麦畑をこえ
In den Glanz hinein -
あの光の中へと -
Wer mag sie erraten,
誰がそれを推し測ろう、
Wer holte sie ein?
誰がそれに思い及ぼう?
Gedanken sich wiegen,
想いは揺れる、
Die Nacht ist verschwiegen,
夜はひそやかで、
Gedanken sind frei.
想いは何ものにも捕らわれない。

Errät es nur eine,
ただ一人、知るのは
Wer an sie gedacht
森のざわめきの中で
Beim Rauschen der Haine,
想いを寄せる者、
Wenn niemand mehr wacht
流れゆく雲のほか
Als die Wolken, die fliegen -
起きているものは何もない時に -
Mein Lieb ist verschwiegen
私の愛は語らない
Und schön wie die Nacht.
そして美しい、この夜のように。

ドイツリートに於いてシューマンの「リーダークライス作品39」で最も有名な詩人、アイヒェンドルフ。ヴォルフも20の詩に曲をつけています。その中で最もポピュラーな美しい曲。
言葉にすると"Die Liebe(愛)"の一語、でも心の中では色とりどりの果てしない想いが広がる、そんな感覚でいつも弾いてます。Gedanken sind frei! 想いは自由です!

Rita Streich
Dieskau

この記事のみを表示するein-zwei-drei-vier-fünf-sechs-sieben-acht-neun-zehn

リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf フーゴ・ヴォルフ
Efenlied 妖精の歌
Mörike メーリケ


Bei Nacht im Dorf der Wächter rief: Elfe!
夜も更けて村で夜回りが大きな声で言いました:11時(Elfe)だぞ~!
Ein ganz kleines Elfchen im Walde schlief
森の中でとっても小さな妖精(Elfe)がぐっすりと眠っていました、
wohl um die Elfe!
その11時に!
Und meint, es rief ihm aus dem Tal
そして思いました、ナイチンゲールが谷で
bei seinem Namen die Nachtigall,
僕の名前を呼んだのかな?
oder Silpelit hätt' ihm gerufen.
あるいはジルペリットが僕を呼んだのかしら?

Reibt sich der Elf' die Augen aus,
両目をごしごし
begibt sich vor sein Schneckenhaus
カタツムリの殻から出てきたけど
und ist als wie ein trunken Mann,
まるで酔っ払いのよう、
sein Schläflein war nicht voll getan,
充分に睡眠がとれなかったから、
und humpelt also tippe tapp
そして足をひきずりながらトコトコと
durch's Haselholz in's Tal hinab,
ハシバミの森を通り抜け谷へと降りて行きました、
schlupft an der Mauer hin so dicht,
岩壁にぴったり沿って通り抜けると
da sitzt der Glühwurm Licht an Licht.
そこでは蛍がピカピカと光を灯していました。

"Was sind das helle Fensterlein?
「あの明るい小さな窓は何だろう?
Da drin wird eine Hochzeit sein:
あの中で結婚式があるのかな、
die Kleinen sitzen bei'm Mahle,
小人たちが食卓に座って
und treiben's in dem Saale.
広間でにぎやかにやってるのかな?
Da guck' ich wohl ein wenig 'nein!"
よし、ちょっとだけ中を覗いてみよう!」

Pfui, stößt den Kopf an harten Stein!
イテッ、頭を硬い石にぶつけちゃった!
Elfe, gelt, du hast genug?
ねえ妖精くん、(目覚めるのに)充分だったかな?
Gukuk!
グック、グック

妖精もElfe、数字の11もElfe。(正確にはElfですが、話語でeがついてるものと思われます)
"Elfe!"という声を聞いて自分の事だと勘違いした妖精がふらふらと歩き回り、岩に止まって光っている蛍を窓と勘違いして、中を覗こうとしたら頭をぶつけちゃった、というかわいい歌です。
かわいい歌なのに訳すのは難しかったデス。間違いがあったら指摘していただけるとありがたいです。
この曲はメーリケの小説「画家ノルテン」の劇中劇で歌われます。ジルペリットは妖精と人間の間に生まれた少女の名前だそうです(小説を読んでないので他からの引用です)。

またまたシュヴァルツコプフですが、ピアノはあの大指揮者フルトヴェングラーです(でも・・・チョン・ミュンフンやサヴァリッシュのようにはいきませんが・・・)
Elfenlied

ところで妖精はどう数えるのでしょう?「人」「羽」「匹」???

この記事のみを表示する春つながりで

リート:ヴォルフ(メーリケ)

Hugo Wolf  フーゴ・ヴォルフ
Er ist's 春だ
Mörike メーリケ


Frühling läßt sein blaues Band
春がその青いリボンを
Wieder flattern durch die Lüfte;
再び空にはためかす
Süße, wohlbekannte Düfe
甘い、懐かしい香りが
Streifen ahnungsvoll das Land.
予感に満ちた大地に触れる。
Veilchen träumen schon,
菫はもう夢見ている、
Wollen balde kommen.
間もなく咲き出でることを。
Horch, von fern ein leiser Harfenton!
ほら、遠くからかすかなハープの音が
Frühling, ja du bist's!
春、そう、君だ!
Dich hab ich vernommen!
僕は君の音を聞いた!


毎日寒いですね・・・
は~るよ来い、は~やく来いと歌いたい!(でもまだ、もう~い~くつ寝ると お正~月歌ってない)
春の歌は春に書けばいいのに・・・でも春の歌は数え切れないほどありますのでご心配なく。

来年は世界不況が二番底をうつ!?という厭~な話もありますし、われわれの業界は助成金縮小が確実みたいですし、まだまだ冬景色凍死しないようにがんばらなきゃね。

閑話休題、この"Er ist's"の訳に困り果ててしまいました。「彼だ」っていうのが直訳で最後から2行目の"du bist's"の「君だ」と同じことなんですけど、日本語は名詞を男性、女性区別しないので(Fr醇・lingは男性名詞です)、「春」を「彼」と呼ぶのは違和感があり「春だ」と訳しました。これが一般的に使われている訳ではあるのですが。

同じ歌詞にシューマンが曲をつけていて、ヴォルフのと同じくらい有名です。他にもたくさん曲があるみたいですが、あのカール・ベームも曲をつけてるそうで、とても興味があります

Wolf: Er ist's
Schumann: Er ist's