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~ピアニスト朴令鈴*音音(おとね)工房~

この記事のみを表示するAllerseelen 万霊節

リート:R・シュトラウス

Richard Strauss リヒャルト・シュトラウス
Acht Gedichte aus "Letzte Blätter"
Allerseelen 万霊節 Op.10-8
Hermann von Gilm ギルム

Stell auf den Tisch die duftenden Reseden,

テーブルの上には香り高い金木犀を
Die letzten roten Astern trag herbei,
最後の赤いアスターをこちらへ
Und laß uns wieder von der Liebe reden,
そして私たちはまた愛を語ろう
Wie einst im Mai.
かつての五月のように

Gib mir die Hand, daß ich sie heimlich drücke
手を私に、それをそっと握るため
Und wenn man's sieht, mir ist es einerlei,
他人に見られようと構わない
Gib mir nur einen deiner süßen Blicke,
ただ一度、甘い眼差しを向けて
Wie einst im Mai.
かつての五月のように

Es blüht und duftet heut auf jedem Grabe,
今日はどの墓も花が満ちて香っている
Ein Tag im Jahre ist ja den Toten frei,
年に一度、亡き人たちが解き放たれる日
Komm an mein Herz, daß ich dich wieder habe,
来よ、私の胸に、再びきみを抱こう
Wie einst im Mai.
かつての五月のように


シュトラウスの初めてのまとまった歌曲集、作品10の終曲です。
18~9歳の頃の作品ですが、シュトラウスの歌曲の中で最も人気の曲の一つでしょう。
始まりの何気ない語り口や、フッと転調する妙技がとても自然で、心に響く大好きな歌です♪

その他にセレナーデOp.17-2とツツェーリエOp.27-2を演奏します。
過去に訳したものがあるので、リンクを貼ります。

セレナーデ http://pimplpamplpampoppung.blog84.fc2.com/blog-entry-340.html
ツェツィーリエ http://pimplpamplpampoppung.blog84.fc2.com/blog-entry-339.html


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この記事のみを表示する四つの最後の歌 その4

リート:R・シュトラウス

曲集では最後におかれていますが、シュトラウスはこの詩に出会い1948年5月に曲をつけ、
その後ヘッセの詩集から3篇に作曲しました。
アイヒェンドルフは1788~1857年に生きた詩人。
歌曲ではシューマンの「リーダー・クライスOp.39」が有名ですが、ヴォルフにも素敵な曲がたくさんあります。


Richard Strauss リヒャルト・シュトラウス
Vier Letzte Lieder TrV 296,AV 150 「四つの最後の歌」 
Im Abendrot 夕映えの中で  
Josef Karl Benedikt von Eichendorff アイヒェンドルフ

Wir sind durch Not und Freude 

ぼくらは苦しみも喜びも
Gegangen Hand in Hand,
手に手をとって共にした
Vom Wandern ruhen wir beide
さすらいから離れぼくら二人は
Nun überm stillen Land.
いま静かな大地を見おろす

Rings sich die Täler neigen,
まわりは谷々が傾斜をなして
Es dunkelt schon die Luft,
空はもう暗い
Zwei Lerchen nur noch steigen
2羽のひばりはなお舞い上がる
Nachträumend in den Duft.
夕もやの中で夢みつつ

Tritt her, und laß sie schwirren
おいで、ひばりは飛ぶにまかせて
Bald ist es Schlafenszeit
間もなく眠りの時間だ
Daß wir uns nicht verirren
ぼくらが迷わないように
In dieser Einsamkeit.
この孤独の中で

O weiter, stiller Friede!
ああ、遥かなる静かな安らぎよ!
So tief im Abendrot,
こんなにも深く夕映えに包まれて
Wie sind wir wandermüde --
なんという旅の疲れだろう
Ist das etwa der Tod? --
これはあるいは、死というものだろうか?


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この記事のみを表示する四つの最後の歌 その3

リート:R・シュトラウス

Richard Strauss リヒャルト・シュトラウス
Vier Letzte Lieder TrV 296,AV 150 「四つの最後の歌」 
Beim Schlafengehen 眠りにつく時
Hermann Karl Hesse ヘルマン・ヘッセ


Nun der Tag mich müd gemacht,

昼はわたしを疲れさせたので
soll mein sehnliches Verlangen
わたしの切なる願いを
freundlich die gestirnte Nacht
星のきらめく夜が優しく受け入れて欲しい
wie ein müdes Kind empfangen.
疲れた子どもにするように

Hände, laßt von allem Tun,
両の手よ、すべての行いを止めよ
Stirn, vergiß du alles Denken,
額よ、すべての考えを忘れてしまえ
alle meine Sinne nun
わたしの五感は今や
wollen sich in Schlummer senken.
まどろみに沈もうと欲している

Und die Seele unbewacht
束縛されない魂は
will in freien Flügen schweben,
自由な飛翔に身をゆだねたい
um im Zauberkreis der Nacht
夜の魔力の世界で
tief und tausendfach zu leben.
深く、そして永遠に生きるために

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この記事のみを表示する四つの最後の歌 その2

リート:R・シュトラウス

Richard Strauss リヒャルト・シュトラウス
Vier Letzte Lieder TrV 296,AV 150 「四つの最後の歌」 
September 九月
Hermann Karl Hesse ヘルマン・ヘッセ

Der Garten trauert,

庭は喪に服し
kühl sinkt in die Blumen der Regen.
雨は冷たく花々に沈む
Der Sommer schauert
夏は身を震わせる
still seinem Ende entgegen.
静かにその終わりを迎えんと

Golden tropft Blatt um Blatt
葉が一枚一枚、金の滴となり
nieder vom hohen Akazienbaum.
高いアカシアの木から落ちてくる
Sommer lächelt erstaunt und matt
夏は驚き力なく微笑む
in den sterbenden Gartentraum.
終わりゆく庭の夢に

Lange noch bei den Rosen
なおしばらくバラのもとで
bleibt er stehen, sehnt sich nach Ruh.
夏はとどまり、憩いをもとめる
Langsam tut er die großen
ゆっくりと、夏はその大きな
müdgewordnen Augen zu.
重たい目を閉じる

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この記事のみを表示する四つの最後の歌

リート:R・シュトラウス

「四つの最後の歌」はその名の通り、R.シュトラウス最晩年のオーケストラ伴奏による歌曲作品です。
4つのうち3つがヘルマン・ヘッセによる詩、終曲の「夕映えの中で」がアイヒェンドルフの詩となっています。

シュトラウスよりひとまわりほど若いヘルマン・ヘッセですが、残念ながらシュトラウスを嫌いだったようで、
この作品についても次のような手紙を残しています。
「 (私の詩による Rシュトラウスの歌曲〉ですが、私iこはシュトラウスの他の音楽と同じようにしか感じられません。
名人芸のようであり、洗練されていて、職人的な美しさに満ちてはいますが、
核心がなく、自己目的にすぎないのです。」

初演はシュトラウスの死後、フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の伴奏により、
キルステン・フラグスタートによって演奏されました。


Richard Strauss リヒャルト・シュトラウス
Vier Letzte Lieder TrV 296,AV 150 「四つの最後の歌」 
Frühling 春
Hermann Karl Hesse ヘルマン・ヘッセ

In dämmrigen Grüften

薄暗い霊廟にて
träumte ich lang
ぼくは長い間夢をみた
von deinen Bäumen und blauen Lüften,
きみの樹々や青い空の
von deinem Duft und Vogelsang.
きみの香りと鳥のさえずりの

Nun liegst du erschlossen
いまきみは姿を成して
in Gleiß und Zier,
輝きと装飾の中に横たわる
von Licht übergossen
燦然たる光の
wie ein Wunder vor mir.
目の前の奇跡

Du kennest mich wieder,
きみは再び僕を知る
du lockest mich zart,
きみは優しく僕を呼ぶ
es zittert durch all meine Glieder
ぼくの手足は震えが止まらない
deine selige Gegenwart!
きみの祝福の出現!


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おと と おと と vol.9
響宴―リヒャルト・シュトラウス―器楽と歌と
2017年1月29日(日) 14時開演 銀座 王子ホール
チケット 4,500円(当日5,000円)

=出演=
ソプラノ:安井陽子 ヴァイオリン:川見優子 ピアノ:朴令鈴

=曲目= リヒャルト・シュトラウス作曲
・ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18  ・オペラ『サロメ』より七つのヴェールの踊り  ・四つの最後の歌、万霊節 Op.10-8、セレナードOp.17-2、ツェツィーリエ Op.27-2